あらゆる業界において働き方改革が進められる昨今、従業員にどのようにモチベーションを維持させるか、という点は非常に大きな課題となるでしょう。ここでは組織全体の活性化に役立つ「モチベーション研修」について紹介します。
モチベーション研修とはその名の通り、従業員の仕事に対するモチベーション向上を目的として行う研修のことをいいます。モチベーション研修は自分自身のモチベーション管理を身に着けるための「全従業員向けの研修」と部下のモチベーション管理をするためのスキルを学ぶ「管理職向けの研修」の2種類に大別され、個々のパフォーマンス向上や組織成長を目的とした研修となっています。
モチベーションは行動を起こすための動機を表す言葉であり、人間の動機には「外発的動機」と「内発的動機」があります。「外発的動機」は給与や評価・罰則などのように外部から与えられる物事によるものであり、「内発的動機」は目標達成のために行動したいという気持ちや楽しいから挑戦したいという気持ちなどのように、内的な感情が行動の動機になるものです。モチベーション研修においてはこのうち「内発的動機」に焦点をあててモチベーション向上を目指すものであり、自発的に成長していくためのスキルを学ぶ研修です。
モチベーション研修における目的であり最大のメリットは、従業員のモチベーションが上がることです。従業員のモチベーションが上がると組織として活性化し、業務に取り組む姿勢もいい方向に変わり高いパフォーマンスを発揮できるようになるでしょう。そうなると会社としての業績が上がったり、事業拡大にも繋がっていきます。
会社組織においては従業員が定着するかどうかが重要なポイントであり、入れ替わりが激しいと指導・教育を何度もしなければならなくなるためコストがかさみます。ある程度経験を積んだ従業員が勤続してくれるという環境は、経営効率化にも繋がるでしょう。
管理職がモチベーション研修を受けることは、受ける本人のモチベーション維持・向上だけでなく、部下のモチベーションを向上させることにも繋がります。どうすれば部下のモチベーションを高められるのか?モチベーションが下がってしまったらどうすればいいのか?などを理解することで、部下のパフォーマンスを引き出せるようになるでしょう。部下との関係構築にも繋がることから、業務におけるマネジメントもスムーズに行うことができるようになるでしょう。
まずは自分自身を理解するために自己分析を行います。アメリカの心理学者であるデイビット・マクレランド氏が提唱した欲求理論によると人間の動機は「達成」「権力」「親和」「回避」の4つに分けられると言われており、この中で自分が重視している事は何かを見直します。
自己分析を行うことで価値観の整理ができると、自分がどういう生き方や働き方をしたいかが明確になります。自分の考えるやりがいを感じるためにどの仕事に取り組めばよいのか、どの仕事に向いているのかなどを具体的に考えられるようになります。
会社や部署として目標を掲げるにあたって、それを達成すると自分にどのようなメリットがあるのかを関連付けていきます。自分の価値観と目的・目標を関連付けることにより仕事のモチベーションが高まります。
モチベーションは上がり下がりを繰り返します。そのためモチベーション研修ではセルフコントロール方法を学ぶことも重要です。どうすれば上がり・どうすれば下がるのかについて過去の経験を踏まえながら考え、行動分析を行います。
指導者層は部下のやる気を引き出すことが重要ですが、併せて「モチベーションを下げない」ことも大切です。そのためにはどうすれば部下のモチベーションが下がるのかを理解し、どういう言動・行動を取るべきかを理解してモチベーション向上を促しましょう。
個人のモチベーションは目に見えないため、研修前に従業員のモチベーションを可視化しておくことが効果的です。モチベーションサーベイなどの調査を行い、明らかになった課題に対して研修プログラムを考えていくのがよいでしょう。
モチベーション研修に限らずですが、研修を実施する際には目標や目的を明確にしましょう。意義や目的を理解せぬままに受ける研修はだらけてしまうことがありますので、モチベーション研修が有意義な機会であるというプラスの考え方を持ってもらいましょう。
研修の効果を高めるためには、やりっぱなしではなく振り返りの時間を設けることが有効です。一時的に高まったモチベーションは時間とともにだんだん低下していきますので、定期的に振り返ることで想起・持続させる努力を行いましょう。
モチベーション研修を実施するだけであれば自社でも可能ですが、専門的な知識やノウハウを持っている外部専門家に委託する方がより高い効果を得られるでしょう。人材研修の専門会社は人材教育のプロであり、カリキュラムの豊富さや研修自体の質の高さといった強み・メリットがあります。企業に合わせた独自プログラムを追加してくれる研修会社もあるので、自社に適した研修内容で実施することも可能です。
また、社内で研修を行うとなるとその準備や運営などにリソースを割かなければならず、本業に影響が出かねません。外部に委託することはスピーディーに実施できるというメリットもあります。当然委託にかかる費用は発生しますが、不慣れな従業員が時間をかけて準備するよりも経済的かつ高品質の研修が期待できるため、コストパフォーマンスは高くなるでしょう。
ゲーム事業を展開する株式会社マイネットでは、他のIT企業と共同で「シェア研修」を開催しています。このシェア研修は2012年にスタートしており、計7社が合同でビジネスマナー研修のほかマインド研修・マーケティング研修などを行われています。この研修の特徴は「他社の同世代と一緒に研修を行う」という点があり、お互いに刺激を受けながら競争心を育み、仕事に対するモチベーションを高めていきます。
スポーツ用品店を運営する株式会社ヴィクトリアでは、スポーツの面白さを体感するための新人社員研修を2014年に実施しています。千葉県にあるゴルフ場を貸し切ったうえでベテラン社員がゴルフの実演指導を行い、楽しさや用具の大切さを新入社員に体感させました。実際に体感することにより店舗で仕事をする際、お客様に対してスポーツの魅力などをダイレクトに伝えられるようになります。
※上記の事例参照元:ビズ・クロ(https://bizx.chatwork.com/organization-management/motivation-training/#%E3%83%A2%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E7%A0%94%E4%BF%AE%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F)
組織体制や企業風土・事業内容など、さまざまな要素によって従業員のモチベーションは上下します。このモチベーションをしっかりと向上・維持するためには、自社に適したモチベーション向上策が必要になるでしょう。研修もその手段の一つとして有効ですが、ただやるだけでは意味がありませんので、自社に適した研修の実施方法を検討しましょう。
本メディアではミドル・シニア向けにキャリア研修を実施している会社の中から課題別におすすめの研修会社を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
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