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キャリアオーナーシップとは?考え方や実践方法を解説

キャリアオーナーシップとは

キャリアオーナーシップとは、個人が生涯のキャリアにおいて「どうありたいか」を意識し、その実現に向けて主体的に行動することを指します。この概念は、人生100年時代の到来に伴い、個人の働き方や生き方が大きく変化する中で注目されています。従来の「学ぶ→働く→引退する」という一方通行のステージが、今後は「学ぶ」と「働く」が一体化し、長く働き続けるためにスキルアップや学びを継続することが求められます。

キャリアオーナーシップの考え方の背景には、終身雇用の崩壊や高齢化社会による働き方の多様化が挙げられます。これにより、個人が定年後も働き続けなければならない時代となり、企業の雇用形態や個人の働き方が変わりつつあります。このような状況下では、「キャリアは企業から与えられるものではなく、自分自身で作り上げるもの」という考え方が重要になります。

キャリアオーナーシップの5つの中心概念

キャリアオーナーシップは、現代の多様な働き方や個人の成長を支える重要な考え方です。この概念には、以下の5つの中心的な要素が含まれています。

ありたい自分の生き方を構想する

まず一つ目に、個人が自分らしく生きるための軸を持ち、未来に向けてキャリアを設計することです。具体的には、自分が何を大切にし、どのような価値観を持っているのかを明確にすることから始まります。これにより、長期的なビジョンと目標が設定され、自分の生き方を方向付けることが可能になります。

自己を理解し、仕事を通して自己実現・表現する

自分の強みや興味を深く理解し、それを活かせる仕事を選ぶことで、より充実した職業人生を送ることができます。この過程では、自分のスキルを磨き続け、挑戦を続ける姿勢が重要です。

心の内面にある好奇心やモチベーションを起点に行動する

内なる好奇心やモチベーションを源泉とし、自ら行動を起こすことも大事な考え方の一つです。これには、新しい知識や経験を積極的に追求し、自分の成長を楽しむ姿勢が含まれます。モチベーションを維持し続けるために、自分の情熱や興味を探求し、それに従うことが大切です。

新しいものを学び直し、自己変容を積み重ねる

そして、継続的に学び続け、新しい知識やスキルを獲得することで自己変容を図ることも重要です。これにより、時代の変化に柔軟に対応し、自分のキャリアを進化させることができます。学び直しの過程では、過去の経験を振り返り、新しい視点を取り入れることが求められます。

自分自身・周囲と調和し、好循環を生み出す

個人と組織、または環境との調和を図り、共に成長し合う関係を築くことも、ビジネスマンとして常に意識するべきことだと言えます。自己実現は一人では達成できないため、他者との協力や支援が不可欠です。これには、コミュニケーション能力の向上や、チームワークを重視する姿勢が含まれます。

キャリアオーナーシップが注目される背景

キャリアオーナーシップが注目される背景には、人生100年時代の到来と、働き方の大きな変化が影響しています。以下に、その背景について詳しく説明します。

人生100年時代と働き方の変化

人生100年時代の到来により、人々のキャリアは長期間にわたって続くことが一般的になりました。これに伴い、年功序列や終身雇用といった従来の雇用形態が限界を迎えつつあります。個人は一つの企業で生涯働き続けるのではなく、ライフステージの各段階で新しい役割や挑戦を求められるようになりました。このため、個人が自らのキャリアを主体的に設計し、自己実現を図るキャリアオーナーシップが重要視されるようになっています。

企業の役割の変化

現代の企業は、単に従業員を雇用するだけでなく、彼らが社会で活躍し続けるための支援を行う役割を担っています。具体的には、トップコミットメントの伝達、個人のマインドセットへの働きかけ、キャリア形成のための多様な機会の提供、そしてモチベーションを高める人事制度の設計などが求められます。企業と個人の成長が一致することが望ましいとされ、個人はキャリアビジョンを明確にし、企業との対話を通じて自分のキャリアを築くことが求められます。

ESG投資の拡大と人的資本経営

ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の拡大も、キャリアオーナーシップが注目される一因です。特に「S(社会)」に関連する人的資本の情報開示が求められるようになり、企業は中長期的な企業価値の向上を目指して人的資本経営を推進しています。2020年に経済産業省が設置した「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会」の報告書(人材版伊藤レポート)では、企業は多様な働き方を可能にし、自律的なキャリア形成を後押しすることが求められています。

VUCA時代の到来

VUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)と呼ばれる変化の激しい時代に突入したことで、企業は柔軟で迅速な対応が求められています。これにより、個人が自分のキャリアを主体的に管理し、適応力を持つことが重要となっています。変化の激しい環境下でキャリアオーナーシップを持つことで、個人は自分のキャリアを守り、成長させることができます。

社会全体での新しい個人と企業の関係性

キャリアオーナーシップは、個人と企業の新しい関係性を象徴する考え方です。企業は画一的なキャリアパスを提供するのではなく、多様な働き方や自律的なキャリア形成をサポートすることが求められます。一方、個人は企業にキャリアを委ねるのではなく、自らの主体的な意思で働く企業を選択し、キャリアを築く必要があります。

このように、キャリアオーナーシップが注目される背景には、長寿命化、雇用形態の変化、ESG投資の拡大、VUCA時代の到来など、さまざまな要因が絡み合っています。これからの時代において、キャリアオーナーシップは個人と企業の双方にとって不可欠な概念となっていくでしょう。

企業が取り組むべきこととは?

キャリアオーナーシップを推進するためには、企業が積極的に取り組むべき具体的な施策があります。以下の3つのポイントを中心に説明します。

社員のキャリア開発支援

企業は、社員が自らのキャリアと向き合うためのサポートを提供する必要があります。具体的には、以下のような施策が挙げられます。

  • キャリアカウンセリングの実施:専門のキャリアカウンセラーとの定期的な面談を通じて、社員が自分のキャリアプランを明確にする手助けを行います。
  •   
  • 社内外での研修:キャリア研修やスキルアップ研修の機会を提供し、社員が自身の能力を高めるための環境を整備します。
  •   
  • 社内公募制度やインターンシップの整備:社内での異動や新しいポジションへの挑戦を促進するための制度を導入します。
  • ジョブ型雇用の導入:社員が自律的にキャリアを形成できるようにするため、役割や業務内容に基づく雇用形態を導入します。
  • 副業・兼業の解禁:社員が多様な経験を積むことができるよう、副業や兼業を許可する制度を整えます。

リテンションの強化

優秀な人材を確保し、社員が長期的に企業で働く意欲を持つための施策も重要です。

  • 面談やキャリアカウンセリング:社員が抱える課題や悩みに対して、仕事以外も含めた総合的なサポートを提供します。
  • 1on1ミーティングの実施:定期的な個別面談を通じて、社員のキャリアに対する意識を高めます。
  • 柔軟な再雇用制度の運用:シニア人材に対して、再雇用ではなく業務委託契約を提案することで、柔軟な働き方を支援します。
  • 多様なポジションの用意:社員がキャリアの将来像を具体的に描けるよう、多様な職務機会を提供します。

企業と社員の新たな関係性の構築

旧来の雇用関係を見直し、新たな関係性を構築するための取り組みも必要です。

  • 転職・起業準備を見据えた制度の導入:早期退職者への退職金上積みやキャリア転換準備のための休暇制度などを設け、社員が主体的にキャリア選択を行えるようにします。
  • 転身先の紹介・マッチング:希望者には他企業の求人情報を共有し、新たなキャリアパスの開拓を支援します。
  • 定年退職者への業務委託契約:再雇用ではなく業務委託とすることで、勤務地や勤務時間の自由度を高め、望ましい働き方を選べるようにします。

これらの取り組みにより、キャリアオーナーシップを推進することは、企業にとっても個人にとっても大きなメリットをもたらします。企業は生産性の向上を、個人はより充実した職業人生を実現することができるでしょう。

キャリアオーナーシップの企業が取り組むメリット

キャリアオーナーシップの推進は、社員個人のキャリア成長を支援する取り組みであると同時に、企業全体の成長にも大きなメリットをもたらします。以下に、企業がキャリアオーナーシップに取り組むことで得られる主なメリットを紹介します。

生産性の向上

キャリアオーナーシップを推進することで、社員は自ら考え行動する主体的な姿勢を身につけます。これにより、問題解決能力や創造性が向上し、業務の効率化や革新が進むため、企業全体の生産性が向上します。また、社員が自己のスキルや専門知識を向上させることで、適材適所の人材配置が可能になり、業務パフォーマンスがさらに向上します。

エンゲージメントの向上

キャリアオーナーシップに取り組むことで、上司や人事部と社員との間でのコミュニケーションが増加します。1on1ミーティングやキャリア研修を通じて、社員は自分のキャリアについて考える機会が増え、組織に対する理解や愛着が深まります。これにより、社員のエンゲージメントが向上し、離職率の低下にもつながります。

モチベーションの向上

キャリアオーナーシップを推進することで、社員は自分の将来のビジョンを明確に持つことができます。これにより、日常業務においても積極的に成果を出す方法や改善策を考え、主体的に取り組む姿勢が醸成されます。企業がこうした社員の努力を評価することで、さらに高いモチベーションを維持することができます。

優秀な人材の確保

キャリア形成を重視する優秀な人材は、キャリアオーナーシップを推進する企業に魅力を感じます。企業がキャリアオーナーシップの取り組みをコーポレートサイトや採用サイトで紹介することで、キャリアアップの意欲を持つ求職者を引きつけやすくなります。これにより、優秀な人材を確保し、企業の競争力を高めることができます。

社内外での良好なネットワークの構築

キャリアオーナーシップの取り組みを通じて、社員は社内外でのネットワークを広げることができます。これにより、新たなビジネスチャンスやコラボレーションの機会が生まれ、企業の成長に寄与します。さらに、社員同士の協力や知識共有が促進され、組織全体の活性化につながります。

本メディアではミドル・シニア向けにキャリア研修を実施している会社の中から課題別におすすめの研修会社を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

課題別に見る
おすすめミドル・
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ターゲットとなる社員で選ぶ
ミドルキャリア研修

ひとりひとりの
課題に目を向け
プロフェッショナル
として活躍させる
社会⼈材
コミュニケーションズ
引用元HP:社会人材コミュニケーションズ公式HP
https://gakusya.org/cp-senior/

社会人材コミュニケーションズの研修は、個人向けキャリアマネジメント研修「知命塾」で培ったノウハウを活用し、社員一人ひとりの課題に向き合い、プロフェッショナルとしての活躍を促します。企業の実情に合わせたカスタマイズ研修や、外部との交流を含む実践的なプログラムを通じて、ミドル・シニア層の主体的なキャリア形成を支援します。

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従業員の停滞感や
モチベーションの
低下に対応し
雇用延長を促す
リクルートマネジメント
ソリューションズ
引用元HP:リクルートマネジメントソリューションズ公式HP
recruit-ms.co.jp

リクルートマネジメントソリューションズのミドル・シニア向けキャリア研修は、キャリアの停滞感やモチベーション低下に直面する40代社員に対し、複数のキャリアバリエーションを描く場を提供します。これにより、組織内での新たな挑戦や自己成長を促し、雇用延長を見据えた主体的なキャリア形成を支援します。

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幅広い女性の
立場に立った研修で
女性管理職
の活躍を推進
インソース
引用元HP:インソース公式HP
https://www.insource.co.jp/womanact/protop.html

女性キャリアが活躍しきれない現状を変えたいなら、制度の見直しや、女性管理職への研修はもちろん、女性の上司となる男性社員に対しても研修を行い、男性管理職が女性役職者をどうサポートしていくべきかを意識づけしていくことが求められます。インソースの女性活躍推進ための研修はバリエーション豊富で、男女それぞれに必要なアプローチができます。

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選出基準
前提:「ミドルキャリア研修」とGoogleで検索して10ページまでに出てくる実際に「ミドル・シニア向け研修」を行っている企業42社を調査し、実績の掲載、講師を掲載している企業をピックアップ。
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